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「ウイルス感染と口腔ケア」

インフルエンザウイルスやコロナウイルスは標的とする細胞に付着した場合(*1)口の中やのどに存在するブドウ球菌などの細菌の産生するたんぱく質分解酵素の作用を受けて活性化し細胞内に侵入(*2)します。糖尿病や口腔感染症等による免疫力低下や、オーラルフレイルによって感染し易い体質になってしまっている人は更にそのリスクが高くなります。一般的に口腔疾患のある人や口腔清掃のままならない要介護高齢者の口の中の細菌数は数千億個になります。それらの産生するたんぱく質分解酵素は容易にウイルスの侵入を許すことに加担します。従って口の中に慢性疾患がなく、清掃の良い人はインフルエンザだけでなく新型コロナウイルス感染のリスクも低下すると考えられます。当診療所では下記に基づき口腔ケアは新型コロナウイルス感染リスクを低下させると認識して厳格な感染予防をしながら日々組んでいます。

歯科医療現場での新型コロナウイルスへの感染予防対策
① スタンダードプリコーションの順守。
(マスク、グローブの装着、器具の滅菌や患者さん毎の交換等)
② 発熱のある方へは緊急処置と投薬などに限定する。
③ 処置前の薬液による口腔清拭、又はうがい。
④ 診療室の頻繁な消毒と換気。
⑤ 診療スタッフに発熱のある場合は医療現場に立ち入らない。
となっています。

(*1) ウイルスが付着しているだけで感染はしていない。
(*2) ウイルスに感染する。
(*1)(*2)どちらの場合もPCR検査では陽性となります。

2020-09-24 トピックス